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健康的な間取り?

 健康的とは、家族が心身ともに健やかに育つということだと定義しましよう。もちろん、シックハウスなどは論外です。しかし、現代はストレス社会です。子どもたちがどのように育つかが大きな問題です。
 1997年に、神戸連続児童殺傷事件という痛ましい事件が起こりました。この事件は説明するのも嫌なので、詳細は省きますが、犯人である中学生がその遺体の一部を家に持ち帰り、自宅の風呂で洗って天井裏に隠していたということで、どうしてそのような事が可能なのか、家の間取りが話題になりました。
 この家の間取りは、一般的な建売住宅間取りでした。玄関にホールと階段があり、そのホールあるいはそのホールと接続する廊下に、全ての部屋が接する。全ての部屋に行こうと思うといったん玄関と直結している廊下を介していくことになります。昔の日本の住宅は、どこかの部屋を通らないと次の部屋へいけない間取りが多かったのですが、今ではほとんどの建売住宅は、いわばこの廊下中心主義の間取りになっています。この間取りは、本来、ホテルやビジネスホテルのように、玄関で鍵をもらったら、いつでも好きな時に自分の部屋に出入りし、必要な時に、レストランや外出など、他の人の合わずに出来る、極端に個のプライバシーを重視した動線(人の動きの線)が要求される時に用いる間取りです。おそらく、戦前の日本の住宅が、あまりにプライバシーがなかったためか、その反動で極端なプライバシー重視の間取りの家が多く建てられました。それに対して、居間を中心とした動線が考えられます。これは家族などの接触を重視する間取りで、トイレに行くにも、ご飯を食べるにも、自分の部屋へ行くにも、家族が集まっている居間を通らないと動けないという間取りです。子供室が弐階にあると階段も居間にあって、その居間を通らないと部屋から出られない。お父さんが深夜までプロ野球ニュースを見ていれば、子どもたちは全て監視されてしまうわけです。
 神戸の事件では、この廊下中心主義の間取りが利用されました。夜に子供がいるかどうかも分からないし、いつ出て行ったかもわからない、また、洗面室にいこうが、天井収納庫にいこうが、家族のいる部屋を通らず自由に動けました。もちろん、通常は、自分の子どもがいるかどうかを親が分からないというのはおかしな話ですが、おそらく、犯人の少年と家族はそういう生活をしていたのでしょうね。
 しかし、この間取りは家族に責任があるわけではありません。買った当時からそういう間取りで、その中で家族が暮らしただけに過ぎません。このあとに書きますが、日本の住宅はほとんどが何LDKと言う個室重視の考え方から脱していません。この事件をさかいに、ハウスメーカーでも、居間中心主義がとりあげられました。あるメーカーはそれをセンターリビングと言い、あるメーカーは居間のある暮らしという風に。
 つまり、家族がすくすくと育つためには、建材の問題だけでなく、家の間取りや使い勝手も、大切なのだという事が理解されるようになりました。その意味では、この1995年頃を境として、健康な家のあり方がクローズアップされることになりました。


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:Haha! I'am the first! Yeh~

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